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SS 「サービスデー」

ご訪問ありがとうございます。

カウンターが9000を超えました。も、もうすぐ10000じゃないか、と
ドキドキしています(笑)
10000踏まれた方はリクエストお受けしたいと思いますので、良かったら連絡下さいね~。
まだ二~三日先の話しだと思いますが(笑)あ、ただし、Rは無理です(汗)

SS「サービスデー」です。
上官・部下時代で革命中のお話しです。

「続きを読む」からどうぞ!


  サービスデー         上官・部下時代   革命中
 
堂上班の公休の日。今日は柴崎が仕事なので、郁は一人で寮の部屋にいた。出掛ける予定もない。部屋の掃除を済ませた郁は窓の方へ目を向けた。
今日はとてもいい天気だ。青い空が目に眩しい。
公休のローテーションは復活されたが、非常事態が解除されていないので、外出は申告制になっている。
予定表には何も書き込まなかったけど、こんなに気持ちいい天気なのに、部屋でじっとしているのも詰まらない。
そこら辺を散歩する位なら問題ないだろう、と郁は部屋を出た。
図書館の敷地内をぶらぶらと歩く。ふと前方に目を向けた郁はその瞬間、固まった。
ベンチに堂上が座っている。本を読んでいる様だ。
 
うわ、かっこいい……!って、座って本読んでるだけなんだけど!でも私服だしっ!
ドキドキしながら、そっと歩き出す。
少し近付いた所で気配に気付いた堂上が顔を上げたので、走り寄る。
「堂上教官っ!珍しいですね。教官が外で本読んでるなんて」
声を弾ませた郁に堂上も軽く微笑む。
「ああ。本借りて来て、部屋に戻ろうと思ったんだが、あんまり気持ちいい天気だったん でな。お前は?出掛けるのか?」
「出掛ける予定はなかったんですけど。すごくいい天気だったんで、そこら辺ちょっと散歩する位なら、予定表書いてないけど、平気かな?って思って」
「ああ。近くなら別に構わん。……散歩か、いいな」
堂上は空を見上げながら言った。
 
郁の胸がどきんと跳ねる。もし良かったら一緒に……なんて言えないっ!
「俺が一緒だったら、邪魔か?」
堂上が空を見上げたまま訊いた。
「邪魔なんかじゃないです!むしろ嬉しいですっ!!」
力一杯言い切ってから思わず頬が熱くなる。うわ、つい本音が。
「それは光栄だ」
堂上が笑いながら立ち上がる。
「じゃ、その辺散歩してから昼メシでも食うか?」
「はいっ!あ、でも、堂上教官は出掛ける予定とかなかったんですか?」
「ん、別にない。午後から班長会議だしな」
「あー、そうなんですか。お休みなのに大変ですね」
「まあ、仕方ないさ。じゃ、行くか」
 
堂上がゆっくりと歩き出す。郁も嬉しそうに堂上の隣に並んだ。
「たまにはこうしてゆっくり歩くのもいいもんだな」
「ホントですねー。つい訓練速度で歩いちゃいますもんね」
 
始めは少し緊張していた郁だったが、堂上の方からよく会話を振ってくれたので、すぐに緊張もほぐれた。
堂上も仕事中に比べ表情も柔らかいし、よく笑った。
笑っている堂上に見惚れていた郁に「なんだ?」と怪訝そうに堂上が訊いた。
「えっ、いや、あの……堂上教官よく笑うなあ、と思って。仕事中はそんなに笑わないじゃないですか」
ちょっとしどろもどろになりつつ郁が答えた。
「そうか?普通だろ、俺は。仕事中にそんなに笑うのは小牧位のもんだ」
堂上の言葉に郁が吹き出す。
「そ、それもそうですね。小牧教官に比べればみんなあんまり笑わない、って事になりますね!小牧教官って、昔からずっとあんなに笑い上戸だったんですか?」
「まあ、そうだ。……でも、お前と手塚が入隊してから、格段に上戸の回数は増えた気がする」
「ちょっ、どういう意味ですか!?それっ!」
「心当たりは色々あるだろ?」
言いつつ堂上がまた笑う。
「もう~っ!確かに色々ありますけどっ!」
などと、特に意味のない会話を続けながら、散歩を続ける。といっても、あまり図書基地から離れるワケにはいかないので、基地の近所をぐるぐる回っている。
堂上が腕時計を見た。
「もうこんな時間か。そろそろ、昼メシ食うか?」
郁も時計を見ると、もう11時30分になっていた。もう一時間近く散歩してた事になる。
時間が過ぎるのが早いのにびっくりしつつ、郁が答える。
「はいっ!いっぱい歩いたからお腹空きましたっ!」
元気よく返事してから、しまった!と後悔する。お腹空いた、って、力一杯宣言する、って、どうよ、あたし……。
「よし、いっぱい食え。どこにする?」堂上が笑う。
「あ、良かったら、公園で食べませんか?折角こんないい天気だし」
「そうだな、いいかもな。じゃ、コンビニ行くか?」
はいっ、と郁が返事してコンビニの方へ歩き出す。
 
お弁当とお茶をカゴに入れ、デザートをどれにするかしばらく悩み、ようやく決めてカゴに入れた所で、郁のカゴを堂上が取り上げた。
「レジ混んできた。まとめて払って来る」
堂上も自分の選んだ弁当とお茶をカゴに入れる。レジに向かう途中でコーヒーもカゴに入れた。
郁は大人しくコンビニの出口で堂上が出て来るのを待つ。
会計を済ませて歩いてきた堂上に駆け寄る。
「すいません。あたしの分、払います。いくらでした?」
「これ位構わん。俺がメシ食うか、って誘ったんだしな」
「でもっ」
「いいから。俺がお前より幾つ年上だと思ってんだ?…気になるなら、今度缶ビールでも奢ってくれ」
堂上が歩きながら言う。それ以上食い下がるのもどうか、と思った郁は
「はいっ。有難うございます」と言って堂上の横に並んだ。
 
公園に着き、空いていたベンチに二人並んで座り、お弁当を食べだす。
「コンビニの弁当もこんな風に外で食べるといいもんだな」
「本当ですねー。すごく美味しく感じます!」
「まあ、お前はいつでも何処でも何食ってても美味しそうだけどな」
堂上が笑いながら言う。
「なんか、何気なく失礼な言い方なんですけどっ!」
膨れながら郁は内心の動揺を抑える。
 
教官、今日は笑顔のサービスデーですかっ!?
笑顔が多すぎて、心臓がどうにかなりそうですっ!!
 
そんなこんなと話しながらお弁当を食べ終わり、郁がデザートに取り掛かると堂上はコーヒーの缶を開けた。
あ、ひょっとして、あたしがデザート買ってたから堂上教官はコーヒーを買ったのかな、と考え、小さく嬉しくなり、思わず顔がにやける。
デザートが嬉しくて郁が笑っていると勘違いした堂上が笑う。
「そんなにうまいのか?」
堂上が勘違いしているのは分かったが、理由を説明するのも何なので、
「すごくっ美味しいです」と、言っておいた。
デザートを食べ終わって少しそのまま話をしていたが、堂上が時計に目をやった。
「もう、こんな時間か。そろそろ戻るか」
名残惜しいが、堂上は会議があるから仕方ない。
「はいっ!ご馳走様でした」
郁は立ち上がって頭を下げた。堂上も立ち上がり、
郁の頭を軽くポンと叩いて微笑んだ。
 
基地に戻り、しばらく歩く。
「寮に戻られるんですか?」
「いや、このまま庁舎に行く」
一度寮に戻ってからでは会議の時間ギリギリになってしまう。
「堂上教官、今日は有難うございました。すごく楽しかったです!」
「ああ。俺もだ。いい気分転換になった。ありがとうな」
じゃ、失礼します、と帰りかけた郁を堂上が呼び止めた。
「笠原。……この当麻先生の案件が片付いたら、映画行くぞ」
虚を衝かれた郁は硬直する。
「はいっ!!」
一瞬硬直した後、力一杯返事した。
堂上は微笑んで、じゃあな、と庁舎の方へ歩き出した。
郁は顔を赤くして堂上の後ろ姿をしばらく呆然と見送る。
堂上の姿が見えなくなってからふと我に返り、寮まで走って帰った。
 
寮に帰ってからの郁は、堂上との会話を思い出しては一人ニヤニヤしたり、顔を赤くしたり、クッションを抱きしめたり、床に転がったり。
そして、それは夕方柴崎が部屋に戻って来るまで延々と続けられた……。
 
  1. 2010/11/27(土) 07:00:00|
  2. 図書館SS
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  4. | コメント:1
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コメント

ほのぼのと、いいお話ですねぇ。しあわせなキモチになりました。ありがとうございます。うふ。
  1. 2010/11/27(土) 14:03:36 |
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  3. きらきら #-
  4. [ 編集 ]

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