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SS 「確認」

はじめまして!!こんにちは。ななせです。
とうとうブログを開設してしまいました。
祝!堂郁の日!!という事で今日オープンしました。
拙いお話しばかりになるかと思いますが、のんびりと
増やしていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

初めてのSS、「確認」です。
告白後、初めてのお見舞いです。
人生で初めて書いたSSです。

よろしければ、「続きを読む」からどうぞ!


 
   確認           恋人期間    堂上入院中
 
郁は課業が終わると記録的な速さで日報を仕上げ、ダッシュで寮に帰った。
昨日の内に決めておいた服に素早く着替える。
今日の午前中に堂上が図書基地の近くの病院に転院してきている筈だった。
 
中々行き出せなかった堂上の見舞いに行って、告白して思いを受け入れてもらって
から三日経った。
逢いに行きたいのは山々だったが、課業が終わってから新宿の病院に行くのは
時間的にきつい。堂上からも次に来るのは転院してからでいい、と言われていた。
 
逸る気持ちで病院に着き、受付で堂上の病室を確認し、病室へ向かう。
今度も個室だった。ドアの前で立ち止まる。
この間とは違う意味で緊張する。
でもこの間よりは短い時間でドアをノックする事が出来た。
「はい」
堂上の返事を聞いてからドアを開けた。
顔を覗かせた郁を見ると、堂上がこの間不機嫌面になったのとは真逆に嬉しそうに
笑った。
うわっ、その笑顔は反則です、教官!
硬直した郁には気付かず、堂上が手招きする。
郁がおずおずと近付く。
「どうした?郁。座れよ」
堂上がサラッと言った。
郁は堂上の言葉に更に硬直し、固まったまま、ストン、と椅子に座った。
顔が熱くなってきているのが自分で分かる。
挙動不審な郁を見て堂上の笑顔が消える。
「どうした?何かあったのか?」
心配そうな表情になる。郁は慌ててぶんぶんと頭を振る。
「い、今、郁、って……」
郁が赤い顔のまま、小さな声を出した。
「嫌か?」
堂上が少し照れた様に笑う。
「嫌じゃないです!むしろ嬉しいです!!」
そこはきっぱり言い切ってから、俯く。
堪え切れず涙が溢れた。
郁の手に零れた涙の雫を見て、堂上が動揺する。
 
「な、何だ!?どうしたんだ?一体何があったんだ?」
堂上が慌てて郁の腕を掴む。
「ち、違うんです。あたし、嬉しくて…」
郁はまだ涙の残る顔を上げた。
「この前、すごく嬉しかったんですけど、段々不安になってきて……実は、この間の
事は現実にあった事じゃなくて、あたしの想像、というか、妄想だったのかも、って。
あたしなんて、こんなに大きくて女の子らしくもないし、堂上教官には絶対釣り合わ
ないし…!だから、この前の事は現実とは思えなくなってて不安だったんです。
でも、あたしが部屋に入った時、教官、すごく嬉しそうに笑ってくれて、
しかも、郁、って呼んでくれて。ああ、妄想じゃなかったんだ、現実だったんだ、
てわかって嬉しくて…!」
所々、つっかえながら話す郁を堂上がなんとも言えない様な顔で見つめている。
「そうか。もう信じられたか?」
郁がコクンと頷く。
「俺も信じられた」
「え?」
首を傾げた郁を堂上が引き寄せて、抱き締める。
「俺も不安だった。この間来てくれる迄、早く来てくれっ、てずっと待ちわびて
いたからな。ひょっとしてこの間の事は俺の夢だったんじゃないかと思ってた。
だから、今日お前が来てくれてすごく嬉しかった」
堂上がそんな風に思っていたのはすごく意外だったが、嬉しい。
郁の胸一杯に甘酸っぱい気持ちがひろがった。
「あたし、堂上教官の彼女だ、って思っていいんですよね?」
堂上が郁の体を少し離し、郁の顔を見て優しく笑う。
「もちろんだ」
郁が嬉しそうに笑うと、堂上がもう一度郁を引き寄せた。今度は唇が合わさった。
堂上が唇を離すと、郁はまた真っ赤になっている。
その様子に堂上は思わず微笑む。
くそ、可愛いな、こいつ。
ちょっと、モジモジしながら、郁が立ち上がった。
「お茶、入れてきますね!」
「ああ、頼む」
 
お茶を飲みながら色々話をする。堂上の怪我の事、隊であった出来事、話はつきない。
堂上が棚に置かれた時計に目をやった。
「郁、そろそろ帰らないと食堂閉まるぞ」
「あ、別にコンビニでも…」
「いや、今日はもう帰れ。時間が遅くなると帰り道も心配だしな」
「え~大丈夫ですよ。まだそんなに遅くないし」
「俺が心配なんだ」
堂上が真顔で郁を見つめる。そんな風に心配され、彼女なんだ、という実感が
少しだけ湧いて嬉しくなった郁が微笑む。
「わかりました。お茶のカップ、片付けたら帰ります」
カップを洗い、拭いた後、備え付けの棚に片付け、堂上の方を向く。
「じゃあ、帰りますね。また明日も来れたら来ますね」
「ああ、無理はしなくていいが、来てくれたら俺は嬉しい」
仕事中の堂上からは想像も出来ない程優しく甘い口調で言われ、郁はまた赤くなる。
「郁」
名前を呼ばれ、腕を掴まれ、引き寄せられたと思ったら、唇を重ねられた。
さっきよりも少し短い時間で離され耳元で囁かれる。
「気をつけて帰れよ」
郁はさらに赤くなる。まるで茹蛸状態だ。
郁はコクコクと頷いて真っ赤な顔のまま病室を後にした。
 
寮の部屋に入ると「おかえり~」と柴崎から声がかかる。
「病院行って来たんでしょ?早かったのね。面会時間ギリギリ迄いるかと思ってたのに」
柴崎はニヤニヤ顔だ。この間の経緯については既に吐かされている。
「ただいま。あたしはそのつもりだったんだけど、堂上教官が遅くなるから
もう帰れ、って」
答えつつ、郁は部屋着に着替え始める。
「ま~、相変わらず過保護な事ね~。だけど、アレね。今迄もあんたへの過保護
ぶりは只事じゃなかったけど、本人的にはただの上官だから、って抑えてるつもり
だったんだろうしね。でも、晴れて“彼氏”になったんだからあんたへの過保護が
どこ迄暴走するか見物よね~」
「ヤダもうっ!彼氏とか言わないで!」
突っ込む所はソコか?と思いながら柴崎はさらに郁をからかう。
「だって、そうなんでしょ~?堂上教官のカ・ノ・ジョ!」
「もう~っ!!あたし、食堂でごはん食べてくる!!」
郁は顔を赤くして部屋から走って出て行った。
残った柴崎は一人でまだニヤニヤしている。
これ位は楽しませてもらわないとねー。まあ、あの二人の事だから、
からかうネタに苦労する事はこれからもないだろうし?
柴崎は魔女のようにくくっ、と笑った。



  1. 2010/10/19(火) 10:19:00|
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コメント

初めましてっ☆

ななせさんのSS
と-----っても大好きです♪
上手すぎて感動しましたぁっ★
応援してます!
  1. 2010/10/29(金) 17:06:54 |
  2. URL |
  3. 柚菜 #9XlUtjPo
  4. [ 編集 ]

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