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SS 「魔女の護衛」

ご訪問ありがとうございます。

ちょっと間が開いてしまいました、すいません(汗)
なかなかまとまった時間が取れなくて(涙)

今日のSSは一周年記念リクエストの第六弾です。
片桐麻衣さまより、リクエストして頂きました。
しかし、一周年からもう三ヶ月近く経ってる……。
お待たせしてすいません~!

片桐麻衣さまのみお持ち帰り可とします。
(今まで書いてなかったんですが、リクエスト作品はリクエストして下さったご本人はお持ち帰りして下さって結構ですので!もちろん過去のリク作品も!)

SS「魔女の護衛」です。
タイトルでお分かりだと思いますが(笑)柴崎メインのお話です。時期的には堂郁恋人期間です。
続きからどうぞ!


魔女の護衛                      恋人期間
 
「同期会?」
「ん~、同期会、という程大人数じゃないみたいだけど。あたしはそんなに気が進まないんだけど……。柴崎、どうする?」
 
確かに郁はあんまり気乗りしている様子はない。
現在、堂上が一週間の出張に出掛けており、今日はその三日目だ。
早くも禁断症状に陥っているのか、郁は元気がない。
 
「そうねえ。あんたが行くならあたしも行くけど?」
「そっかあ。どうしようかな~」
郁が迷う様子を見せる。
 
別に無理に連れ出そうとは思わないが、行けば少しだけでも堂上に逢えない寂しさを紛らわせる事が出来るかもしれない。
そう柴崎は考え、郁に水を向けてみた。
 
「柴崎も一緒なら……。行ってみようかな?」
「じゃあ、行く、って事で。で、いつなの?」
「あ、明後日だって」
「堂上教官にはちゃんと報告しておきなさいよ」
「うん、わかってる」
 
「で、メンバーは?」
「声掛けられたのは、防衛部の谷村。他に誰が来るのかは聞いてないけど」
「谷村?」
 
柴崎が郁に気が付かれない程度に眉を顰める。
 
郁が堂上と付き合い始めて、女らしく可愛くなった、と悔しがっている同期は沢山いるが、谷村はその筆頭だった。
堂上を好きになる事で、郁はどんどん女らしく可愛くなっていったのに、それに気が付かず、ただ悔しがっているだけの馬鹿な連中だ。
 
防衛部の谷村ならば、堂上が出張に行っていて留守だという事は当然知っているだろう。
ただ、指を咥えて見ているだけだと思っていたが、堂上がいない時を狙って郁を誘ってきたあたり、何か企みがありそうだ。
断る様に言った方がいいか?
それともここらでちゃんと谷村に釘を刺す方がいいか?
 
「柴崎?」
黙り込んで考え込んでいた柴崎に郁が怪訝そうに声を掛ける。
「ん?ごめん、何でもないわ」
柴崎は郁に微笑みを返した。
 
そして、その日。
寮で出掛ける支度をしていた柴崎は郁に声を掛ける。
「笠原。堂上教官にはちゃんと報告したの?」
「うん。言ったよ。柴崎と一緒なら安心だ、って。でもお酒飲むのは一杯だけにしておけ、って」
「そう。まあ、あたしだとあんたが寝落ちしても運べないからね」
柴崎が苦笑する。
飲むのが一杯だけなら、郁はなんとか自分の足で歩いて帰って来る事が出来るだろう。
「うん。でも今日はあたし飲まないから!」
郁はきっぱりと言い切った。
まあ、それならそれでその方が柴崎も安心出来るし、堂上もそうだろう。
 
郁の携帯がメールの着信を知らせた。
郁が携帯を開く。
郁の顔がほころぶ。間違いなく堂上からのメールだろう。
と、柴崎の携帯もメールの着信を知らせた。
 
柴崎が携帯を開くと、堂上からのメールだった。
『すまんが、よろしく頼む』
思わず笑いが漏れる。
そして、素早くメールを返信する。
『頼まれました。ご心配なく』
携帯を閉じてから、郁に目を向けると、郁も返信を終えて、携帯を閉じたところだった。
 
「あたしにも来たわよ。堂上教官からメール」
「え!?な、なんて?」
「すまんが、よろしく頼む、って」
「……堂上教官、心配性だから」
郁が照れくさそうに、でもどこか嬉しそうに笑う。
 
まあ、郁に対して、そう言った面では心配性にならざるを得ない堂上の気持ちは良く分かる。
 
郁が堂上以外に気持ちを動かす事なんて有り得ない、という事は言わずもがなであるが、いかんせん郁には自分がそういう対象で見られている、という自覚が足りない。
前に比べたら、多少なりとも自覚は出てきた様だが、まだまだ十分ではない。
 
「堂上教官の苦労が偲ばれるわね……」
「え?」
「何でもないわ。じゃあ、そろそろ出かけましょうか?」
「うん」
 
ロビーに出ると、手塚が待っていた。
「お待たせ」
「あれ?手塚も行くの?」
「そう。あたしが誘ったの」
「へえ~。珍しい」
 
手塚は同期会といった様な大きな集まりには顔を出すが、こういった同期絡みの少人数の飲み会には参加する事は少ない。
手塚曰く、堂上や小牧と飲んでいる方がよっぽど楽しいからだそうだ。
参加する時は、大概が柴崎に頼まれてガード役としての参加だ。
 
三人で連れ立って、待ち合わせの場所へと向かう。
待ち合わせ場所には谷村達が先に到着していた。
そこに居たのは谷村と仲のいい、防衛部の同期二人。谷村と合わせて三人だった。
 
「お待たせ。あれ?これで全部?」
郁が首を傾げる。
郁はもう少し多い人数だと思っていた様だ。
 
「あ、ああ。急だったから、あんまり集まらなくってさ」
恐らく手塚が一緒なのが予想外だったのだろう。
谷村が微かに顔を引き攣らせながら言った。
 
……嘘ばっかり。
柴崎が密かにリサーチした所、同期で今日の集まりに声を掛けられている者はいなかった。
もちろん、同期全員に確認を取った訳ではないが、防衛部の同期の女子には粗方確認を取った。男連中にも数人確認したが誰も今日の話しは知らなかった。
恐らく始めから郁しか誘っていなかった筈だ。
柴崎が来るのは予想し、その為に自分の仲のいい相手を連れて来ていたのだろうが、手塚が来る事までは予想していなかった筈。
 
「じゃあ、行こうか。店は予約してあるから」
そう言って歩き出した谷村達は案の定、前でコソコソと相談している様だ。
手塚を呼んでおいて良かった。
柴崎は内心で息を吐いた。
同期だし、そこまで卑怯な真似をするとは思いたくはなかったが、もし力づくで来られた場合、柴崎では全く抵抗出来ないし、郁にしたって、相手が三人もいればどうしようもない。
だが、手塚が居る以上、向こうも下手な真似は出来ない筈だ。
だとすると……。
柴崎は小声で手塚に言う。
「多分あいつら、あんたの事酔い潰そうとすると思うけど、潰されんじゃないわよ」
「わかった」
手塚も小声で返し、頷いた。
手塚も元々今日は郁と柴崎のガードとして呼ばれた事は理解しているので、話は早かった。
郁の事を狙う男の気持ちは相変わらずさっぱり手塚には理解出来ないが、そういう男連中が居る事は理解しているし、谷村もその中の一人だという事も知っていた。
堂上と郁がお互いの事をどんなに大切に思い合っているのかも知っている。
そして、それを我が事の様に大事に見守っている柴崎と小牧や特殊部隊の面々。
もちろん手塚もその中の一人だ。
 
店に到着し、恐らくこの中では只一人、何の思惑も屈託もなく郁は上機嫌でメニューを吟味している。
 
そして、表面上はそれなりに和気藹々と進んだ。
柴崎にした宣言通りにお酒を口にしていない郁は専ら食べていた。
谷村は勿論郁に酒を飲む様に勧めていたが、郁はきっぱり断って、ただひたすら食べ、喋っていた。
郁が飲んでいるのはウーロン茶だ。
 
それがこっそりお酒にすり替えられたりしない様、柴崎は勿論チェックを怠らなかった。
予想通り、谷村達は柴崎や手塚にもやたら酒を飲む様、勧めてくる。
柴崎も手塚も酒には強い。
酔わない程度に適当に酒に口をつける。
 
「あたし、ちょっとトイレ行ってくるね」
柴崎に小声で言うと、郁が席を立った。
その後、谷村が立ち上がった。
「俺、トイレ行ってくるわ」
 
郁の後を追っていくのは明白だ。
柴崎はすかさず立ち上がる。
「あたしもちょっと失礼」
 
トイレで郁を捕まえ、一緒にトイレを出る。
郁が出て来るのをさりげなくトイレの付近で待っていた谷村は郁と柴崎が一緒なのを見て、一瞬だけ顔を顰め、何も言わずに席に戻った。
 
そして何事もなかった様に柴崎と郁も席に戻る。
手塚に執拗に酒を勧めていた谷村の連れは、逆に手塚に飲まされ、もう結構酔っている様だ。
手塚も一応飲んではいるが、殆ど酔ってはいない。
勿論柴崎も同様だ。
 
その後も害のない会話が続けられ、暫く経った頃、郁が時計で時間を確認すると、席を立った。
「ごめん、ちょっと」
郁の姿が消えた後、おもむろに谷村が立ち上がった。
「あら、谷村。どこに行くの?」
「あ、ちょっとトイレに……」
「あら?さっきも行ってなかった?」
柴崎が優雅に首を傾げながら尋ねる。
「ちょっと飲み過ぎたかな、また行きたくなって」
「……今、笠原を追いかけない方がいいと思うわよ?きっと電話中だから」
「え……」
「もちろん相手は堂上教官だと思うけど」
「そ、そう……。いや、俺は別に笠原の事追いかけようとした訳じゃなく、本当にトイレに行こうと思っただけで」
「あら、そうなの?あたしはてっきり谷村が、堂上教官のいない隙を狙って笠原にちょっかい出そうとしてる、とばっかり思ってたんだけど、あたしの勘違いだったのかしら?」
柴崎がにっこりと微笑みながら言った。
谷村は顔を引き攣らせながら答える。
「も、もちろんそうだよ。俺はそんなつもりじゃなくて」
「じゃあ、どんなつもりで、今日笠原を誘ったのかしら?」
相変わらず微笑みながら柴崎が言うが、目は笑っていない。
柴崎の瞳は冷たく鋭い。
手塚はそんな柴崎の瞳を見て、背筋が寒くなった。
 
谷村も柴崎の瞳の冷たさに気が付いたのか、かなり焦った様子になってきている。
「俺は、ただ、たまには同期で飲みに行くのもいいかな、って思っただけで。別に笠原を誘ったのに深い意味はないよ」
「他の同期にも聞いてみたけど、今日誘われた、って人は誰もいなかった様だけど?笠原を誘い出すのが目的じゃなかったの?」
「だ、だから違うって!」
 
「そうなの?」
と、柴崎が今度は谷村じゃない同期に微笑みかける。
もう大概酔っ払っているその同期は柴崎に微笑みかけられて気を良くしたのか、べらべらと口を開いた。
「あ~、谷村は笠原目当てだよ~。今、堂上二正がいないからチャンスだ、お前等協力してくれ、って~」
「お前!」
谷村が血相を変えて、口を割った同期を詰るが、その同期はすっかり酔ってしまっているので、悪びれる様子もない。
「なんだよ~。ホントの事だろ~」
 
「チャンス、ってどういう事?」
柴崎が谷村に向き直る。
もう微笑みも顔から消えている。
「堂上教官のいない時に笠原を連れ出して、お酒でも飲ましてどうにかするつもりだったの?」
「そ、そんな!俺はただ、ゆっくり笠原と話してみたかっただけで……」
「別に飲みに行かなくても話くらい出来るだろうし、それに同期で飲みに行くのは堂上教官も禁止している訳じゃないと思うわよ」
まあ、その場合、堂上は必ず迎えに来ると思うが。
「……」
「わざわざ堂上教官のいない時を狙って誘いを掛けるなんて、そういう意図があるんじゃないか、と勘繰られても仕方ないと思うけど」
 
郁が酒に弱い事は有名な話だ。
あわよくば、という思いがあった事は谷村も否定出来ない。
が、もちろんそれを認める訳にもいかず、谷村は黙り込んだ。
 
「こんな真似をする位なら正々堂々と潔く、笠原に告白すればいいんじゃないの?」
「……堂上二正に勝てる訳ないだろ」
力なく谷村が呟く
「だったらすっぱり諦めなさい」
柴崎が冷たく言い放つ。
堂上と張り合う勇気もない癖にこんな手管を仕掛けるなんて。
もちろん正々堂々と堂上と張り合ったとしても谷村が勝つ、という可能性は確かにこれっぽっちもないだろうが、少なくともそうしていたら、こんなに柴崎の怒りを買う事はなかった筈だ。
 
谷村が項垂れる。
「もし、また今度こんな真似をする様な事があったら、只で済むと思わない方がいいわよ」
柴崎に冷たい声で宣言され、谷村は力なく頷いた。
酔っていた筈の谷村の連れの同期達だが、柴崎の態度に酔いも醒めたのか、心持ち顔が蒼くなっていた。
 
そこへ、えらく上機嫌の郁が帰ってきた。
「どうしたの?嬉しそうね」
「うん!今教官と電話で話してたんだけど、予定よりも早く済みそうだから、一日早く明日に帰って来れるって!!」
「本当か!?」
と手塚が郁に確認する。
「うん!」
「さすが堂上二正だな」
 
……たかが一週間の出張で大げさな。
嬉しそうな郁と手塚を見て、柴崎が内心苦笑する。
郁程ではないのだろうが、どうやら手塚も堂上がいなくて寂しかったらしい。
全く、この堂上教官大好きっ子どもめ!
まあ、微笑ましい、と言えば、微笑ましいが。
 
そんな郁の様子を見て、郁が自分に靡く可能性など丸っきりないんだ、と再確認させられ、谷村は更に悄然と項垂れる。
「あれ、どうしたの?あんたたち、なんか元気ないわね?」
郁が谷村達の様子を見て首を傾げる。
「ちょっと、酔ってしまって気分があんまりよくないみたいよ。そろそろお開きにしましょうか?」
「そうだね」
もう、テーブルの上の料理も殆ど食べ終わっていた。
 
「……じゃあ、俺会計してくるよ」
谷村が力なく立ち上がった。
 
会計を終え、戻ってきた谷村に各々が支払する。
「じゃあ、俺達はちょっと酔い醒ましてから帰るから」
谷村達はそう言うと、そそくさと店を出て行った。
 
トイレに行った郁を柴崎と手塚は店を出た所で待っていた。
「手塚、ありがと」
「いや、俺は何もしてないし」
実際、手塚には口を挟む隙もなかった。
「あんたがいる、って事であいつらには充分牽制になってんのよ。あたしと笠原だけだったら、力づくで、って考えが出ない、とは言い切れないでしょ」
「……まあ、役に立ったんなら良かった」
 
「お待たせ~」
郁が店から出てきた。
「じゃ、帰ろっか」
 
宣言通り、酒を一滴も飲まなかった郁の足取りは軽い。
郁がかなり上機嫌なのは、堂上が明日帰って来る、と聞いたからだろう。
まあ、なんとか無事、お姫様を守れた様で良かったわ。
柴崎はこっそり安堵の息を吐いた。
 
……さて、堂上教官には何を請求しようかしら?
柴崎は魔女の様に微笑んだ。
 
 
 


片桐麻衣さまより頂いたリクエストは
「番犬の留守中についた虫を魔女が撃退!」でした!

もっと容赦ない魔女っぷりを書きたかったんですけどね~。
私にはこれが限界でした(笑)
片桐麻衣さま、リクエストして頂いてありがとうございました!
楽しく書かせて頂きました♪
 
  1. 2012/01/14(土) 07:00:00|
  2. 図書館SS
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