SS 「年越しキス」

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今日のSSはタイトルからバレバレだと思いますが、年越しのお話です。
ホントは大晦日の夜にアップ出来たらいいなあ、と思ってたのですが、時間がなくて書けませんでした(汗)

次に持越しかなあ、と思ったのですが、忘れちゃいそうなので覚えてる内に書こう、と昨日書きました。
でも、年末まで待ってたら書いた事すら忘れてしまいそうな気がしたので(笑)年が明けてからちょっと経ってしまいましたが、アップする事にしました。

「年越しキス」時期的には婚約期間です。みじかめのお話です。
続きからどうぞ!


 年越しキス                 婚約期間
 
大晦日。
もうすぐ、年も変わろうかという頃、堂上と郁は寮のロビーにいた。
明日も仕事の二人は仕事が終わってから、外食に出た。
門限までには帰って来たが、なんとなく離れがたく、そのままロビーのソファに座り込んで、話をしていた。
 
帰省している隊員も多いのだろう、いつもに比べ寮内はひっそりとしていて、ロビーにも全く人の気配がなかったので、周りに気を使う必要もなかった。
 
「もうすぐ、年が変わるな」
堂上が腕時計を確認してから言った。
もう、あと二分ほどで新年を迎える時刻になっていた。
 
「あ、ホントですね。一緒に年越しするの初めてですね!あたし、ここ最近ずっと寮の部屋で一人だったから嬉しいです」
郁がにっこり笑う。
柴崎は年末年始に帰省するので、郁は図書隊に入ってからずっと、年越しは寮の部屋で一人だった。
去年の正月はもう堂上と付き合い始めてはいたが、元旦は堂上が実家に帰る予定だったので、一緒に年越しはしていなかった。
 
堂上が郁の頭をくしゃっ、と撫でる。
「……来年からもずっと一緒に年越し出来る」
そう、来年はきっと、消灯され暖房の入っていない寒いロビーではなく、二人の家で年越しが出来る。
 
郁が嬉しそうに笑いながら、コクコクと頷いた。
 
「後、三十秒だ」
堂上が郁にも見える位置に腕時計を上げる。
二人で、腕時計に見入る。
 
「堂上教官」
郁がそう呼びかけたのはもう後ほんの十秒ほどで新年を迎える時だった。
「ん?」
腕時計から郁の方に顔を向けた堂上に、郁はいきなり口づけた。
堂上は驚いて一瞬目を瞠ったが、すぐに郁の頭に手を回し、深い口づけで答えた。
 
二人が顔を離したのは新年を迎えて、既に三分以上が経過してからだった。
「あけましておめでとう」
「あけましておめでとうございます」
「今年もよろしくな」
「こちらこそよろしくお願いします」
 
堂上が郁の方から突然キスした事について問い掛けたそうな顔をしていたので、郁が少し恥ずかしそうに口を開いた。
「あの、年越しする瞬間にその、キスしたいなあ、って突然思い付いちゃって。……すいません」
「謝る必要なんかあるか」
堂上が笑う。
そう、郁の方からキスしてくるなんて事、滅多にない。
謝ってもらうどころか、確かに一瞬驚きはしたが、堂上にとっては新年早々嬉しいプレゼントだった。
 
「今年も堂上教官と一杯一杯一緒に過ごしたいです」
「ああ、俺もだ。……早く、お前と一緒の家に住みたい」
 
もちろん人気のない事は確認してはあるが、ここは寮のロビーだ。
普段よりもかなり人が少ないとはいえ、いつ誰が来るかわからない。
だけど、郁があんまり可愛かったので、堂上は郁を抱き寄せ、もう一度口づけた。
 
顔を離した後、力が抜けた様に堂上の肩に落とされた郁の頭を撫でながら、堂上はつい考える。
 
年越しキスもいいが、俺はどちらかと言うと、……の方がいいな。
次の年越しは間違いなくもう官舎に住んでいるだろう。
だったら元旦が仕事だとしても、大丈夫だな……。
などと、新年早々不埒な事を考えていた事は郁には内緒だ。
 
 


  1. 2012/01/06(金) 07:08:39|
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