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SS 「天使の梯子」

ご訪問ありがとうございます。

三連休最終日ですね。
旦那も仕事だったし、どこにも出かけてません。
買い物に行く以外はずっと家に閉じこもってました(笑)
子供達には不憫な気もしますが……。

SS「天使の梯子」です。みじかめの話しです。
時期は上官・部下です。

続きからどうぞ!



天使の梯子                上官・部下
 
郁と堂上のバディで市街哨戒中。
 
郁がふと、空を見上げて歓声を上げた。
「堂上教官、あれ!見て下さいっ」
堂上が郁の指す方を見上げる。
 
雲に覆われた太陽。
その雲の切れ間から太陽光が光の柱の様に放射状に何本も地上へとのびている。
 
「きれい……。あたし、あれ、好きなんです」
郁がその現象に見惚れながら、呟く。
 
「ああ、薄明光線だな」
「は、はくめ……?」
「はくめいこうせん。薄い明かり、光の線、と書く」
堂上がもう一度ゆっくりと発音し、漢字も説明してくれた。
郁が頭の中で漢字に変換しながら、復誦する。
 
「あの現象の事をそう呼ぶ。他にも“天使の梯子”とか“天使の階段”とか“レンブラント光線”とか色々呼び名があるようだが」
「へえ~!知りませんでした。でも、“天使の梯子”っていい名前ですね!すごく感じ出てます。薄明光線よりもそっちの方が好きかも。……あたし、名前は知らなかったけど、あれ、前から凄く好きで。なんか、見てると神々しい、っていうか、厳かな気持ちになるというか……。なんか巧く言えないんですけど」
 
堂上が口元をほころばせた。
その優しい微笑みに郁の胸はドキンと跳ねた。
 
「なんとなく、わかる。俺もそうだ」
「ホントですか?」
「ああ、俺も好きだ。前からな。だから、気になって昔名前とか調べたんだ」
 
また郁の胸が跳ねる。
堂上が言ったのはこの現象の事だとわかっているのに、堂上が口にする“好き”という言葉に反応してしまう。
……重症だ。
 
郁がそっと堂上の方を窺うと、堂上は柔らかい表情で“天使の梯子”を見つめていた。
郁の顔も自然にほころぶ。そして、郁も“天使の梯子”に視線を戻す。
しばらく二人で黙ってその現象を眺めていた。
 
「ああ……、薄くなってきましたね、天使の梯子」
「そうだな。お前、天使の梯子、って呼ぶ事にしたのか?」
「はい。一番気に入ったので。教官が教えてくれなかったら、ずっと名前知らないままでした。ありがとうございます」
郁が嬉しそうに笑う。
 
堂上が薄く微笑んで、郁の頭を軽く叩いた。
「そろそろ、行くか。いいもん見れたから、なんかいい事あるかもな」
「……はいっ!」
 
……いい事ならもうあった。
同じ事を昔から好きだと思っていた。
そして、同じ時に同じものを見て、同じ様に綺麗だと感じた。
それがこんなにも嬉しい事だなんて。
それに、郁の気のせいかもしれないが、さっきから堂上の表情も声音も普段よりも柔らかく、優しく感じる。
 
郁にとっては充分“いい事”だった。
 
またいつか堂上教官と一緒に“天使の梯子”を見れますように。
郁は心の中でひっそり願った。
そして、堂上の後を追った。
 
 
 
  1. 2011/10/10(月) 07:00:00|
  2. 図書館SS
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